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2017/08
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勤務2ヶ月経過
注)真面目で暗い話です。



2ヶ月目は訪問開始、ということだったが
一緒に訪問に出る補助看護師が多忙でなかなか出られない日々が続く。

こちらからの催促のもと彼女が挙げたのは2ケース。
・乳がんを患う患者に精密検査を勧める。
・保育園での水疱瘡集団感染を受け、予防、対策の説明に行く。

両ケースとも早めの対処が望まれるが、ソーシャルワーカーである私は
医療知識を持っていないこと、また命に関わる大切な病状説明は医師や看護師がおこなうべきではないかと伝える。

エクアドルにおけるソーシャルワーカーという職は日本よりはるかに認知度が高い。
けれども実際どのようなことをしているかを知らない人は多い。
私のカウンターパート(同僚、私の持つものを伝えていく相手)である補助看護師もその一人。
逆に医師たちはほとんどが病院勤務を掛け持っているので、
どのようにソーシャルワーカーを使うか慣れている様子。

上記ケースについて医師交え話し合うと、看護師や保健師のいない私たちの診療所からは医師が行くべきだという結論に至った。

その後社会的な問題を抱えるケースで、カウンターパートが何度か訪問し、よく知っているというケースの訪問に行くことに。

対象者は24歳女性。不確かだが知的障害がある様子。
診療所との繋がりは彼女の2人の子供が低栄養状態にあるということ。
母である彼女は調理、育児ができず、夫が全て行っているとの事。


訪問に行く道すがら、「アポは取っているのか?」と問うと、
「彼女は働いていないから、いつでも家にいる。大丈夫。」と。

そうじゃない。
いつでも家に居るといっても、人が家に入ってくるということは人によっては大きなストレスになる。
ましてや、知的障害があるかもしれない上、私のような外国人が同行するなら尚のこと。

と、思って伝えようとしても私の語学力では十分に伝えきれなかった。
それから、アポを取るという習慣がないらしく、私の言いたいことは十分に伝わらない。

さらには彼女の家に行く途中にぼろぼろの家を見つけ、
「こんなにぼろぼろの家なら、きっと子供がたくさんいて貧乏に違いない。」という勝手な決め付けで
全く知らない人の家に飛び込んでしまうカウンターパート。

出てきたのは一人住まいの高齢の女性。
全員が初対面なのにカウンターパートは「彼女はソーシャルワーカーだから何でも助けを求めなさい。」と話の主導権を私に振ってしまった。

カウンターパートが一緒だから、困ったら助け舟を出してくれるだろうなんて期待していた私が甘かった。完全に私一人で切り抜けなくてはいけない状況。
幸い相手の女性が優しい人で家の中を見せてくれ、こちらのぐちゃぐちゃな質問にも丁寧に答えてくれた。

勝手に上がりこまれ「助けを求めなさい。」と振られたわりには、頼るべきソーシャルワーカーは肝心な会話がなっていない。
彼女に取ったら迷惑な話であろう。
私だって恥ずかしい。情けない。迷惑はかけたくない。

でもこのように相手をしてくださる方がいて、私は経験を積む。
ゼロからは何も生まれない、と思うより他なかった。

その後、24歳の母の家に向かう。
私たちの訪問に対し、「今は犬を洗っている。」と門すら開けてもらえない。
何度か声をかけしばらく待っていると家に上げてくれた。

家の中はハエが飛び交い、衣類が散乱していた。
ベッドの上に、本当に小さな赤ちゃんがオムツだけで寝ていて、となりには2才の女の子が同じく上着だけ身につけ座っていた。

カウンターパートは私を彼女に紹介してくれたが、
「彼女はソーシャルワーカーよ。何でも話しなさい。」「話したくないの?何で話したくないの?」
というものだったので、私は少し傷ついた。

母親は「困っていることは一切無い。」と話し、あきらかに訪問を嫌がっていた。
それでもカウンターパートはせっせとオムツを変え、台所を片付けようとする。
しまいに母親は怒り、屋上に犬を連れて上がってしまった。

母親はできないなりに赤ちゃんにオムツを着け、できないなりに夫の帰りを子供たちと一緒に待って居たのではないか。
それを「できていない。」と触ってしまうことは相手を傷つけることにもなる。

と、私はカウンターパートに言いたかった。
でも全然伝えらなかった。

とりあえず、母親には「私は診療所に月~金いる。良かったら診療所で話しましょう。」と伝え、カウンターパートと家を出た。

診療所に帰る途中、私はカウンターパートに言いたいことがあったが全く言葉が出てこなかった。
それは精神的なものではなく、語学力の低さで。
私の意見や、感情等今さっきの訪問のことを考え、おなかを雑巾絞りされているような、もどかしさ、怒り、情けなさ、などでごっちゃごちゃだった。エクアドルに来て初めて頭が真っ白になった。

診療所へ帰ると彼女は院長に
「母親は育児もせず、犬と遊んでいた。」
と報告した。

そうじゃないでしょう!

彼女は外国人である私の訪問に驚き、困惑し、
さらには彼女なりの育児を否定する行為に怒り
私たちから離れていったのに。

完全に抜け落ちている。
彼女が悪いことになっている。

もう私はどうしてよいかわからなかった。

どうしようもないから帰宅後、今日の訪問について思うことを日本語で書き、スペイン語訳をした。

次の日、この文章をもってカウンターパートと話し合った。
とりあえず、24歳の母の件は少し理解の良い夫と話をすることからはじめたいということを伝えた。
また、このような訪問をしてしまい、初めの印象が悪いと信頼関係を築くのが非常に難しく、家に入れてくれないどころか、もし対象者が社会的問題を抱えていたとしても話してくれない可能性もあることを伝えた。

さらには私がメインで話さないといけない面接であるならば、情けないことに私にはまだできない。
だから、「家に上がりこまれる」という対象者にとってはストレスの高い方法を取るよりも、診療所で面接を行い、お互いを知ってから訪問に行きたい、ただし緊急ケースは除く、と伝えた。



付け加えたいのは、カウンターパートは決して悪い人ではないということ。
むしろ素直で、時に幼い。
今回の話し合いでは年齢がはるかに下の私の批判ともとれる意見にきちんと耳を傾けてくれた。

また、数々の無茶ともいえる仕事の振り方は
初めて受け入れるソーシャルワーカーが嬉しくて、なんとか仕事を回したいとはりきっている節もある。
それをきちんと受け止めて仕事に繋げられない私の力の低さが原因だ。

私がエクアドルに来ていること。
ソーシャルワーカーの要請が挙がったこと。
たぶんそこには意味がある。

現状、仕事は無いと言えば無い。だって今までいなくても診療所はまわってきたのだから。
でも、これだけ順調に馴染めない環境なら、2年間私が居ることでなんらかの道筋をつけられるかも知れない。
これから先、ここに来るかもしれないソーシャルワーカーのために、アトゥクチョ地区にソーシャルワーカーを置くために。

自分自身の至らなさ。
どこから何を始めたらいいのかいいのかわからない漠然とした感じ。
言いたいことが伝わらないもどかしさ。
やることがないときの、おそろしく暇を持て余す日々。

私の活動2ヶ月目は決して順調とはいえなかったけど、とにかく1歩は踏み出したことを自分自身で評価しようと思う。
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(非公開コメント受付中)

No title
うーんと唸ってしまいますな。社会的な弱者に対する考え方が、国によって全然違うし、制度も違うし大変じゃのう。頑張り過ぎないように。さおちゃん!
Re: No title
→sacchin

そうそう、がんばりすぎないことを目標にするわ。
なんだか今は砂浜とかプールの中を走ってるみたいで、
必死になればなるほど空回りする感じ。
速さや距離よりも、確実な1歩を目標にする。

ありがとう。
使うべきは使うべし
本当に必要で正確さが求められそうなことなら翻訳か通訳のお手伝いをしましょう。
No title
大変だね~
みんな語学に苦しんでるんだな。
病院は問題が大きいからこことは違うんだろうけど。
制度や知識を含めて違いには時間をかけて対処しないと、いっぱいいっぱいになるぞ。
Re: 使うべきは使うべし
→Ernestoセンセ

ありがとう。本当に心強いです。

自分自身の勉強のためにも辞書引いてなんとか表現してみるんだけど、
私のスペイン語はバラエティがなく、ダイレクトで批判的な文章になっちゃっている気がして、
私の意見がカウンターパートの考えややり方を傷つけてしまっていないか気になるところ。

気になりだしたらきりが無いし、時間はあるんだから何度でも話し合えばいいんだけどね。

でもありがとう!
力になっていただいた暁には、帰国後麦芽コーヒー豆乳1リットル×3本貢ぎます。
Re: No title
→nakashi

どこにいても、どんな職種でも協力隊の要請が挙がったからには
なんらかの問題や、掘り出して、形作っていく課題があるよね。

みんな苦しんでると思うと、失礼な話だけど少し気が楽になる(笑)

「日本と違う」ってことを常に頭に置いておけば、
少しは柔らかく受け止められるかな。

いっぱいいっぱいにならないように、エジプトの地図でも眺めるわ!
すばらしい!!
はっしー、仕事してるねえv-42すばらしいよ。
でも、1人で大変だろうね。
今まで日本で積み上げた知識・技術・価値・忍耐・人間関係の構築・勇気をエクアドルで発揮してv-10
はっしーが分かっている通り、焦らずコツコツと。大きな一歩だったんだね。
ファイトだv-217
Re: すばらしい!!
→みをつくしちゃん

ありがとうe-68e-68e-68
仕事してるように見せかけて、できてないよーe-351
患者さんを私の活動につき合わせてしまってる感じがする。

ここは本当に1人職場で気楽な反面、日本語や同じ職種での会話がないからちょっとつらい。
日本ではDSGはじめ、聞いてくれる人、
共感してくれる人がいたのはすごく大きな支えだったんだなあって改めて思う。
プロフィール

84(はっしー)

Author:84(はっしー)
南米エクアドルに青年海外協力隊として2年間滞在。2011年3月22日に日本に戻り、現在は逆カルチャーショックに打ちのめされる日々。

趣味はエジプト。
好きな食べ物はカレーと鮭のおにぎり、そしてキューピーコーワゴールドアルファ。

どうぞよろしくねー!

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